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心の扉を(4)

「お疲れ様です。キョーコでなくてすみません。」
開口一番に殺気立った挨拶をすませると、相手が奏江とわかったのか そうです。とそっけなく返事をした。

「お忙しいと思いますので、単刀直入に・・。無礼を承知で確認させていただきますが・・・・・・この子・・気になる人ができたみたいなんです。この2週間親友の私が見てもわかるほど綺麗になりました。・・・・きっと恋をしようとしているんだと思います。・・・・その相手はあなただと思っていたんですが違ったんですね・・2週間会わずに連絡もしてこないということは、そういうことだと思ってよいでしょうか?・・」

キョーコは相手が蓮だと気が付いてあわてて奏江から携帯を取りあげようと、奏江にまとわりついてくる。それにめげることなく奏江は話続けると、相手の話に何度かうなずいたあと、キョーコに携帯を渡した。

「あんたと話がしたいって、時間内から早くしなさい?・・私は次の仕事でもう、出かけるから」
言い終わる頃にはすでにキョーコの前から奏江は姿を消していた。
携帯電話からかすかに聞こえる 最上さん? の声にあわてて我に返って返事をした。

「は、は、はい・・・あ、あのすみません・・い、今のことは聞かなかったことにしてください。すみませんその。あの・・モー子さんが・・いえ、その・・あ・・・・・はい・・」

『・・・・最上さん・・久しぶりだね・・』
切ない声で告白していた時と同じ声にズキリと胸が痛んだ。少しかすれたような声が蓮の魅力を一層引き立てていた。

「・・はい・・お久しぶりです・・」
慌てていた気持ちが一気に沈む。
頭で思っていたよりもずっと蓮の声に敏感に体が反応した。

ズキズキと痛む胸を抑えるように電話を握りしめ、苦しくて声を聴きたくないと思っているのにその想いとは裏腹に、嬉しさがこみあげてきていた。

『・・その・・今、琴南さんが言っていたことは・・本当?・・誰かと・・恋をしたいって?』

「いえ、あの・・そうじゃなくて・・えぇ・・っと」

『今テレビ局の廊下ですれ違った男の子たちが、君が綺麗になったって噂していたよ・・俺は君に逢えないのに、なんでお前たちは会えるんだって正直嫉妬した・・。それから時間がないから電話で先に言わせてもらうけど・・』

聞きたくないと今にも倒れそうなほど緊張しているキョーコは耳を塞ぎたい想いでごくりと唾をのみこんだ。
敦賀さんがやさしいことは誰もが知っている。
私が傷つかないようにきっとやさしい言葉をくれるに違いない

でも、今はその言葉を聞きたくなかった。
今にも溢れ出しそうな想いが、もう抑えていられなかった。

『・・・・最上さん・・君のことが・・好きなんだ・・・・ずっと・・・・忘れられなかった・・・・』

「・・え?
・・・・・その・・セリフって・・」
キョーコの答えに蓮は苦笑した後に、安堵のため息をついた。

『あぁ~、やっぱり・・そうだったのか・・よかった。・・俺の告白は今初めて聞いたんだね?』
何を言われたのか分からずキョーコは首をひねりながら、謎解きのような会話について行かれなかった。電話の片隅で聞こえる社の声が時間だと告げている。

『ごめん、もう行かないと・・答えはね・・この間君にプレゼントしたぬいぐるみだよ・・。俺のほうこそ、すっかり振られたのかと思って連絡できなかったんだ・・じゃぁね?電話切ったらちゃんと確かめてね?』

言われた意味が半分もわからなかった。
2週間前・・
確かに敦賀さんからもらったぬいぐるみがある。
嬉しくって大切にテーブルに置いて、毎日頭を撫でてから家を出ていた。


それよりも・・敦賀さんは今なんて言っただろう・・


君のことが・・好きなんだ
・・振られたのかと思って連絡できなかった


キョーコはモヤモヤする心を落ち着かせるため、いつもならずる休みなど絶対にしないはずなのに練習スタジオへ向かわず、急いで自宅へ向かった。

テーブルの上に置いてあるぬいぐるみをやさしく抱き上げる。
確かに重みがあるぬいぐるみだと思っていたが、まさかボイスレコーダーが入っているとは思わず、キョーコはぬいぐるみをひっくり返すと裏にあるスイッチをONにした。


『君のことが・・好きなんだ・・・・ずっと・・・・忘れられなかった・・俺たちは子供のころに一度会っているんだよ・・・・。
・・もう限界なんだ、この想いを君にどうしても伝えたくて・・・・だから答えを聞かせてほしい。少しでも俺のそばにいたいと思ってくれるなら恋人になってもらえないだろうか・・・・』

5分ほどの告白にキョーコは笑いながら泣いていた。
蓮が最後にその答えを聞かせてほしいと言った日付は、私がいつも通り楽屋に遊びにいくあの日だった・・、ボイスレコーダーに録音は終わっていたはずなのに、なぜその言葉を楽屋で言っていたのか・・・
疑問はいくつもある・・

それがなければこんな勘違いしなかったのに・・・
それでも蓮が自分を想っていてくれたことに涙が止まらなかった。

蓮の告白を聞いたとき、あまりにも切ない声に相手をうらやましいとさえ思った。
まさかそれが・・自分だったとは・・



キョーコは時計を見上げ、時間を確認すると収録中なのを確認して携帯電話を手にした。

この2週間、何度もかけようとして何度も表示させた電話番号・・・・

留守番電話のメッセージが流れ始める
撮影が始まる前より緊張する一瞬に息を吸い込んだ。




敦賀さん・・私もずっと・・

・・・・・・ずっと・・・・


恥ずかしくて、その先の言葉が出てこない
今度は大きく息を吸い込むと真っ赤になりながら小さな声で囁いた。




・・・私も・・好きでした・・敦賀さんのことが・・






おしまい
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