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愛していると言いたくて(10)




「その・・・・恋愛経験が少なすぎて・・台本の意味が理解できなかったの・・だから・・DVDで勉強しようかと思って・・ごめんなさい・・帰ってくる前には片づけておこうと思ったのに・・いつの間にか寝てしまって・・」
申し訳なさそうにキョーコが謝罪すると、蓮はやっと息を吹き返したかのように安堵の表情を見せた。

「俺はてっきり・・浮気したいのか・・俺の他に好きな人でもできたのかと思ったよ・・・・」
そう言ってテーブルの上に置かれたDVDを手に取った。
下着姿の女性が男性に抱きしめられ、あられもない姿でからみついている。蓮はその題名を思わず口にした。

「『真実の愛 -彼氏より愛人編- 』・・『浮気じゃなくて本気なの』・・どっちも表紙を見ただけで倒れそうだったよ・・・・」

「・・きゃぁあああ・・恥ずかしいから題名読まないでください。・・その・・ご、ごめんなさい・・、驚かせてしまったみたいで・・」
キョーコは耳まで真っ赤になりながら両手で顔を隠した。
それを見て蓮は大きなため息をついてキョーコに手を伸ばすとその頬に触れた。

「驚いた なんて・・そんな言葉では足りないよ・・・・」
じっと見つめる蓮の表情が酷く寂しそうで、キョーコは頬に添えられた手にすり寄るように顔を傾けた。

「で、キョーコは何が知りたかったの?」

「あ・・えぇっと・・・・その・・他の人を思って・・違う男性に抱かれる女性の表情・・・・」

キョーコのその言葉に蓮は眉間に皺を寄せた。

他の男のことを考えているキョーコを抱くのも、俺のことを思いながら他の男に抱かれているキョーコも・・どちらも想像すらしたくなかった。
演技とはいえ、返す言葉も見つからない。


「えぇ・・っと・・・蓮?」

「ん?」
無表情に近い蓮の表情にキョーコは不安になって質問する。

「あの・・大丈夫?」

「・・・・いや・・・・全然、・・全然大丈夫じゃないよ・・」
苦笑とも取れる乾いた笑いにキョーコも困った顔をした。

「この撮影・・いつ?」

「・・・・明後日・・」

「相手は・・岸君・・・・だよね?」
そう言うと蓮は大きなため息をついた。その答えは必要なかった。
岸が元彼の役なのだから、俺を思いながら岸に抱かれる役だろう・・

現実と相まって複雑に自分の心が揺れる。
心を隠すには彼女が愛しすぎて、それすらもできない。
他の男のことを考えながら俺に抱かれてみる?と冗談すらいえない。
ましてやその反対なんて・・絶対にありえなかった。


「あ・・あの・・蓮?」

「ん?」
キョーコの困った顔を見てもどうすることもできなかった。
女優として高みを目指す彼女に自分が障害となってどうすると思いながらも、どうしても譲れないものもある。

「えぇっと・・・・その・・あの・・」
真っ赤になりながらキョーコがモジモジしている。その姿を可愛いなと思いながら見つめていると、とんでもないことを訊いてきた。

「あ・・あのね・・?・・・・その・・・・最中の・・・・私って、こんな表情しているの?」
真っ赤になりながらキョーコはDVDにチラリと視線を向けた。

『・・・・ぁ・・・・ん~・・・・ぁん・・・・』
すっかり忘れていたつけっぱなしのTVに視線を向けるとそこには悩ましい顔の女性が男性にしがみついているところだった。

「知りたい?」
切れ長の瞳が細められ誘うようにキョーコをじっと見つめる。

「・・ぅ・・」
妖艶な笑みを浮かべて蓮が微笑むと、その怪しいほどの色気にキョーコはプルプルと首を横に振った。

「あ・・え・・っと・・い、いえ・・やっぱり・・いいです・・」

「もっと、・・・・ずっと綺麗だよ・・」
・・チュ

蓮の擦れた声が耳元で囁き、キョーコの首筋にキスを落とす。

「ひゃぁあ・・び、びっくりした・・」

「どれくらい綺麗か教えてあげるから、協力してくれる?」
蓮はキョーコの首筋に再びキスを落とし、シャツの下から両手を入れて抱きしめた。

「・・・・あっ・・蓮・・・・ちょっと・・・・ん・・・・」

キョーコの頬が赤みを帯びてくる。切ない声が漏れ始めると蓮の理性があっという間に崩壊しそうになった。
キョーコが女優として上を目指すなら・・その手助けをしたい。
でも、こればかりは・・

そう思いながら蓮は一つだけ方法があることに気がついた。


「・・・・キョーコ・・・・君には王子様がいたよね?」

「・・・・んっ・・・・ぅん・・・・コーンの・・こと?」
蓮の手が体中をなでまわす。
その動きにゾクゾクと体が震える。

「・・・・一度だけ許してあげる・・」
キョーコは熱くなるからだを感じながら夢見心地に蓮の話に耳を傾けていた。

「コーンは妖精だから特別に許すよ・・・・一度だけ・・他の男を思っている君を・・・・この腕に抱く・・・・」

「・・・・ごめ・・ね・・・・蓮」

そう言うとキョーコは表情を隠すように蓮の首に手をまわしその肩に顔をうずめた。

彼女の手がいつもより控えめに俺に触れる。
不安そうにまわされている腕が、俺じゃない誰かを抱きしめていた。

恐くて彼女の瞳が見られない・・

他の男のことを考えているのが彼女の動きから伝わってくると、その瞬間。自分でも驚くほどの嫉妬心が体中を支配した。

優しく触れていた手に自然と力が入る。
彼女が思っているのは本当に過去の自分だろうか・・
まさか、アイツだったりしないだろうか・・

疑心暗鬼になりながら彼女の身体に何度もキスを落とす。
自分で提案したことなのに、ひどくつらい状況に追い込まれ彼女の心を壊してしまいたくなった。

嫉妬に狂う男の気持ちが・・理解できそうだ
そんな冷静なことを思わずに、ことを進めることができそうにない。

キョーコの手がいつもより遠慮がちに俺じゃない誰かに触れる。そのことに体中が嫉妬の渦でうめつくされ 誰を想っているんだ君は・・ と叫びそうになる。

キョーコが優しく俺の肩にキスを落とす。
そんな彼女の行動に早くも心が限界に達した。

自分の首にまわされているキョーコの手を引きはがすように力づくでソファーに押し戻す。その上に組み敷くように体重をかけてキョーコの動きを封じた。


「キョーコ・・・・・・無理だ・・・・やめてくれ・・」
優しい言葉を掛ける余裕もなく蓮は肩で大きく息を吸い込んだ。
自分から許すと言ったのに、その数分後にまた自分から撤回するなんて・・
なんて情けない・・

掴んでいた手をほどき彼女の両肩を押さえてじっと見つめると、ポロポロと涙を流しているキョーコの瞳とぶつかって驚いた。

「私も今・・同じことを・・言おうと・・・・」

「例え妖精でも・・君が他の人を思っていると想像しただけで、心が壊れそうだったよ・・」

「クス・・私は・・・・蓮を思って他の人に抱かれるなんて・・そんなこと・・想像もできないし・・その反対も絶対にないわ・・」
止めどなく流れる涙を蓮はキスで拭った。


過去の自分にすら嫉妬して、俺はどれだけ彼女に溺れているんだか・・

「キョーコ愛してる・・」

「私も・・」
ニッコリと笑うキョーコの笑顔に蓮はクラクラと眩暈がした。


「蓮・・大好き・・」

鈴の音の様な心地よい響きが耳に届く

その笑顔に深いキスを落とし再びキョーコを抱きしめた。




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