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仮面(9)

いやぁああああああああ!!

祝 Windows様!


以前のバージョンの復元で見事復活!!!(滝汗・・喜びの大泣)

皆様お待たせしました・・・・ふぅ~


いってらっしゃいませ!






その人のことを考えるだけで胸が締め付けられる。
その人の傍にいると心が穏やかになる。
最近の私の心は荒波に漂う木の葉のようだ。
自分ではどうすることも出来なくて
ただ翻弄されるだけ




仮面(9)




「やっぱり敦賀さんおかしいですっ!」

そんなセリフを大先輩相手にはき捨てて、私は控え室を飛び出した。

わからない・・・・わからない・・・・

なんで?

どうして抱きしめたりするの?!

逃げ出すように部屋を出てから、ただやみくもに走っていた。

いい加減息が苦しくなり、やっと足を止め荒い呼吸を繰り返していた。

だけどそうして息が落ち着いても、私の頭の中は混乱したまま。

寝込んでる人をお見舞いに行くのは、そんなにいけない事?

私のせいで苦しんでるのに・・・・。

敦賀さんが身体を張ってまで止めなければならない事なの?

いくら考えても分からない。

私のしようとしてる事が間違ってるとは思わない。

そうは思っても、私の胸の中には何か納得できない、ずきずきとした痛みを感じた。

もうさっきの出来事は忘れようと、頭の中から記憶を追い出すように首を振って前を向いた。

今はとにかく社さんの事が心配。

少しでも私に出来ることがあれば。

私はひとつ大きな息を吐いて社さんのマンションへと向かった。

「キョーコちゃん?!」

熱のせいか、少し顔の赤い社さんが驚きの表情で出迎えてくれた。

「夜分に申し訳ありません!でも、社さんが寝込んでるって聞いて、私に何か出来ることがあればと思って」

「ありがとう、キョーコちゃん。とりあえず入って」

「お邪魔します」

普段のスーツ姿とは違い、Tシャツにジャージ姿の社さんはいつもより幼く見えた。

そんな社さんは私を迎え入れると、キッチンでお茶を入れようとしていた。

「社さん、そんな事しないでください!ちゃんと寝ててください!」

社さんからやかんを奪い、手をひいてベットに座らせた。

敦賀さんの部屋とは違い、ワンルームのこの部屋はどこにいても部屋中が見渡せる。

キッチンに戻った私は、背中越しに社さんに訪ねた。

「社さん、ちゃんとお食事されましたか?」

「いや・・・食べなくちゃいけないのは分かってるんだけど面倒で・・・」

「やっぱり。差し出がましい様ですが、何か簡単なもの作らせてもらいますね」

「ありがとう」

「出来上がるまでちゃんと寝ててくださいね!」

「はーい」

社さんはわざと聞き分けのいい子供の様な返事をした。

思ったより元気そうな社さんの姿にほっとして手を動かし始めた。

「俺のこと、聞いちゃったんだ」

「はい、社長から」

「黙っててって言ったのにな」

そこで私ははっと思い出して、社さんの傍へ駆け寄った。

「社さん、すいません!私のせいでこんな事になっちゃって」

「キョーコちゃんが謝る事ないよ。俺が助けたくてやったんだから」

「でも・・・」

「そうやって気を遣われるのが嫌だから黙ってて欲しかったのに」

そう言った社さんが残念そうに微笑むから、社さんが謝罪なんて求めてない事を痛感した。

私は最後にもう一度だけ「ごめんなさい」と告げて再びキッチンに戻ろうとした。

その時。

「今日、蓮の代マネってもしかしてキョーコちゃんがしてくれたの?」

社さんからの問いかけに思わず足が止まった。

一瞬でさっきの光景が蘇る。

抱きしめられた時の感覚まで蘇ってきそうで、思わず自分の腕をぎゅっと握り締めた。

「キョーコちゃん?」

返事をしない私に社さんがもう一度呼びかけた。

その声にはっとして笑顔を作って振り返った。

「不肖ながら最上キョーコが社さんの代わりを務めさせていただきました!」

びしっと敬礼をして見せた私を社さんは一瞬だけ真剣な表情で見た。

だけど、すぐにいつもの笑顔を見せてくれた。

「俺の方こそ迷惑かけたね。ありがとう」

「いえいえ。私の方はお仕事ですから」

そう告げて今度こそキッチンへと戻った。

余計な事は考えないようにと、しばらくお料理に夢中になっていたけど、ふっと無言の社さんが気になった。

(もしかして寝ちゃったかな?)

そう思って振り返ると、横になってこちらを見ている社さんと目が合った。

「もしかして、ずっと見てたんですか?」

「うん!なんかいいよね。キッチンで俺以外の人がお料理してるのって」

「そんなに見られてると恥ずかしいですよ」

「でも、背中が痛むから横向きにしか寝れないんだよね。ずっと壁見てるのもつまらないし」

ずっと見られていた事が少し恥ずかしくてお鍋に視線を戻した。

「社さんなら今までにそういう人、いたんじゃないんですか?」

「う~ん・・・ずっと仕事が忙しかったからなぁ。キョーコちゃんが『そういう人』になってくれれば大歓迎なんだけどな」

「ふふっ。さすが社さん、お上手ですね」

「え~?俺本気で言ったのに」

「はいはい」

そんな居心地のいい会話をしてお料理を仕上げると、テーブルへと並べた。

社さんは並んだお料理を眺めながらベットから降りてきた。

「すごいね、キョーコちゃん。短時間でこんなに」

「すいません、私も夕食まだなんで一緒に作らせてもらいました」

「ひとりで食べるよりずっといいよ!ではご一緒に」

「「いただきます」」

向かい合わせで座り、ふたり声を揃えて合掌すると社さんはおいしそうに食べてくれた。

社さんをお見舞いに来たはずなのに、すっかり私が癒されてる気がした。

初めて訪れた社さんの部屋。

なのにこんなにも居心地がいいなんて・・・。

さっき、心臓が鷲摑みにされたように胸が痛んだのに。

今はそんな事さえ思い出せないくらい、社さんとの会話が楽しい。

そんな事を感じながらも食事を終え、後片付けも済ませた私は、再びベットに横になっている社さんに声を掛けた。

「私がいたらゆっくりお休みになれないでしょうから、これで帰りますね」

「あ、キョーコちゃん、ちょっと」

帰り支度をしていた私を社さんはベットに横になったまま、おいでおいでと呼んだ。

私は言われるがまま、ベットの傍らに座った。

すると社さんは、私の手をきゅっと握り真剣な目をして私を見た。

「蓮と・・・なにかあった?」

その一言で私の顔は強張ってしまった。

これじゃ「ありました」と言っている様なものだ。

私は社さんから視線を外し俯いて話した。

「ここに来る前、敦賀さんに『社さんのお見舞いに行く』って言ったら止められたんです。こんな時間に男の部屋を訪ねるものじゃないって」

「うん、まぁ蓮の言う事はもっともだよね」

「でもっ!」

頷いた社さんに反論しようと顔を上げた。

「寝込んでる社さんを放っておくなんて!社さんは敦賀さんのマネージャーですよ?!私、敦賀さんがそんな冷たい人だと知りませんでした・・・」

言ってるうちに段々悲しくなってきて再び俯いた。

私が思っていた『敦賀蓮』という人と、今日の敦賀さんは違っていた。

それが・・・悲しいんだ・・・。

胸の痛みの原因がようやく分かった気がした。

「それで蓮とケンカしちゃったんだ」

社さんの言葉に頭を横に振った。

「ケンカなんて・・・恐れ多いです。でも暴言は・・・吐いてしまったかもしれません」

「キョーコちゃんが暴言?」

「はい、『敦賀さん、おかしいです』って言って部屋を飛び出してきちゃいました」

「それは蓮にとっては上からタライが落ちてきた位のショックだね。でも、それだけで部屋を飛び出したの?」

「・・・・・・」

抱きしめられ混乱して部屋を飛び出した、とは答えられなかった。

また疑問が湧いてきた。

どうして抱きしめたの?

どうしてあんな切ない目で私を見たの?

考えると胸が締め付けられる。

なんでか分からないけど、逃げ出したくなる。

涙が・・・浮かんでくる・・・。

「まぁ、だいたいの想像はつくけどね」

答えない私の代わりに、社さんがそう呟いた。

そして俯いていた私の頭を引き寄せ腕の上に乗せると、宥めるように頭を撫でながら話した。

「あのね、キョーコちゃん。蓮は意地悪でキョーコちゃんに『行っちゃダメ』って言ったんじゃないよ。キョーコちゃんは『魅力的な女の子』なんだって自覚して欲しかったんだと思うんだ」

「そう・・・でしょうか・・・」

社さんの優しく語り掛けるような声に、段々と心が落ち着いてきた。

静かに社さんの言葉に耳を傾けた。

「もし俺が蓮の立場なら、やっぱり同じ事言ってたと思うし。それにこれが俺以外の男の部屋にキョーコちゃんが行くって言ったら俺なら断固阻止するしね」

「やっぱり・・・そうなんですか」

「そうだよ。でも心配してくれる気持ちは嬉しいんだよ。

それれと。蓮は冷たい人間じゃないよ。別に俺を放っていてる訳じゃないんだ。

蓮だって俺の様子を伺いに位来たいはずだよ。

でも、担当俳優に心配されるマネージャーって、それじゃあ俺の立場ないからね。

だから蓮は俺がいなくてもちゃんと仕事をこなして、俺に心配かけない事が俺にとって一番いい事だって分かってるんだよ」

「そうだったんですか・・・」

今日一日の敦賀さんの仕事ぶりを思い出して納得した。

全て一発OK。

完璧にスケジュールをこなしていた。

こうして面と向かう事だけが相手を思いやる事じゃないんだと知った。

「私、子供みたいにムキになって・・・」

敦賀さんに詰め寄った事を今更恥ずかしく思った。

頭を撫でられながら小さくなる私に、社さんはふふっと笑った。

「キョーコちゃんはかわいいかわいいお嬢様だからね」

「そんな・・・小学生みたいに言わなくても」

「ごめん、ごめん」

少し拗ねて見せた私に社さんは楽しそうに笑った。

その頃には、私の胸の中も少しは霧が晴れたようだった。

ただ、ひとつの疑問は残ったままだった。

どうして抱きしめたの?

その質問は誰にも出来ないと思った。









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