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仮面(1)

皆様こんにちは

今日は、2011年2月28日に閉鎖されました melodyのRin 様の作品を
掲載させていただきます。

閉鎖前に「お好きなSSはお持ち帰りいただいても煮ても焼いてもよい」

なんて・・悲しくも素敵なお言葉に「えぇ~~全部ほしぃ!!!」と 思って
取り急ぎ大好きだった「仮面」を夜中にせっせとコピペしました!!!

閉鎖の悲しみに浸りすぎて掲載がのびのびになってしまいましたが・・

この素敵なSSがもう二度と読めないのかと思っていた皆様
一緒に楽しめたらと思って掲載いたします。
ご存知の方ばかりかと思いますが、最近スキビファンになった皆様や
もしお読みでない方がいらっしゃったらもぉ~感動ですよ!!






「蓮、おまえに話しておきたい事がある」
いつになく真剣な表情の社さんに、笑いかけながら首を傾げた。

「何ですか?社さん」
だけど社さんから発せられた言葉に俺の笑顔が凍てついた。
俺、キョーコちゃんの事、本気で好きだから」



仮面(1)




その日の収録が終わって、控え室に戻ったときの事だった。
いつもならにこやかに「お疲れ」と声を掛けてくれる社さんの表情が硬いことに気付いてはいた。
だけど、こんな事を言われるとは正直微塵も思っていなかった。
彼女自身、誰かを好きになる事を拒否している。
そんじゃそこらの奴が彼女の心を奪えるなんて思えない。
だから俺はゆっくりと待つつもりでいたんだ。
彼女自身が、失くした大切な感情を取り戻すのを。

それが・・・・・
こんなところに思わぬ伏兵がいたとは!

困惑する思考をなんとか落ち着け、冷静に考え始めた。
だけど、社さんは本気か?

事あるごとに、俺と最上さんをくっつけようと企んでいた人がいきなりこんな事を言い出すのおかしくないか?

もしかしたら、これも社さんが考えた作戦なのでは・・・・。
そう思うと、俺は少し心に余裕を持てた気がした。
凍り付いていた表情を和ませ、無理矢理笑顔を取り戻した。

「へぇ、そうだったんですか」

「『そうだったんですか』っておまえ・・・・それだけか?」

「それだけって言われても・・・他に何と言えばいいですか?」

「お前の本心が聞きたい」
そう言った社さんは尚も真剣な表情をしていて、俺は段々と追い詰められていく気がした。

「でもまぁここで込み入った話もなんだから、たまには酒でも飲みながらゆっくり話さないか?」
社さんの提案に、俺も笑顔を消して頷いた。
バーカウンターに並んで座ると、社さんがゆったりと話し始めた。

「最初は本当にキョーコちゃんと蓮がうまくいってくれれば、そう思ってたんだ」
グラスの氷をカランと混ぜて社さんは目を閉じた。

「だけど、彼女すごい純真だろ?それに何事にも一生懸命で、誰に対しても礼儀正しくて。好感を持てない奴のほうが少ないだろ」
閉じた瞼に最上さんの姿を思い浮かべているのか。

社さんはとても穏やかな表情をしていた。

「俺も自分の中にあるキョーコちゃんの存在は妹の様なものだと思っていたんだ。だけど段々思うようになったんだ」
そこで言葉を切った社さんが目を開けて俺を見た。

「くったくない笑顔を俺だけに向けて欲しい。俺の腕の中に閉じ込めてしまいたいってね」
挑戦的な社さんの瞳に俺は確信した。


彼は・・・本気だ、と。


社さんの想いを目の当たりにして、さすがの俺も動揺が隠せなかった。

「というわけで、蓮。これからはお前とキョーコちゃんの応援は出来ないから。そのつもりで」

「『そのつもりで』って・・・随分一方的ですね」

「そう思うならお前の本心聞かせてみろよ。蓮はキョーコちゃんの事どう思ってんだ?」

「どうって言われても・・・・」

俺の気持ちは決まっている。
だけど、それを口にしてなんになる?
このまま社さんと最上さんを巡って対立するのか?
それ以前に・・・
俺は幸せになどなる資格がない人間だ。
そんな俺が堂々と『人を好きになりました』などと言えるはずが無い。
本当の『俺』の感情は押し殺し、『敦賀蓮』の顔をして答えた。

「将来が楽しみな、かわいい後輩だと思っていますよ」

「『後輩』・・・それだけか?」

「はい」

「だったら」
社さんは席を立って俺にきっぱり言った。

「お前に遠慮はいらないって事だよな。俺は俺の思うように動かせてもらうから。邪魔しないでくれよ、蓮」
それだけを告げて社さんは出口へと向かった。

ひとり残されたバーで。
俺は頭を抱え込みたい衝動に駆られていた。
なんだって社さんなんだ?!
はっきり言って、一番やっかいな人がライバルになったと思った。
人当たりがよく仕事もそつなくこなす彼に、人格面では非の打ち所が無い。
最上さんも社さんに信頼すらもしているだろう。
そんな社さんが彼女にアプローチを始めたら・・・・。
社さんの事だから急速なことはしないだろう。
徐々に、でも確実に彼女に近づいていくハズだ。

超天然恋愛音痴の彼女は社さんの行動を深読みする事はしない・・・いや、出来ないだろう。
そして気付けば、社さんに心動かされていた・・・・・

「はぁ~・・・・」
そんな状況をありありと想像できてしまい、俺は深いため息を零した。

「どうするよ・・・俺・・・」
このまま自分の気持ちは押し殺し、社さんを応援する気はない。

だからと言って社さんと対立するつもりもない。
自分のとるべき立場に悩んでいた。
翌日からの仕事は、何事も無かった様に順調にこなしていた。
だけど事態が変わったのが、その日の仕事も終わり事務所に戻ったときだった。

「あ!敦賀さん、社さん、お疲れ様です」
廊下を歩いているとき、背後から最上さんの声がした。
社さんの反応を気にしつつも、俺はいつもの通りに振り返った。

「やぁ、最上さん」

「お疲れ、キョーコちゃん。今日はラブミー部の仕事?」

「はい。学校が終わってからですが」

「そうなんだ。まだ仕事あるの?」

「いえ、もう終わりました。今から部屋へ着替えに行くところだったんです」
どんどんと進むふたりの会話を聞いて、置いていかれている様に感じるのは、俺が社さんを警戒しすぎなのだろうか。
そんな事を考えていると、社さんがいつもの様な口調で最上さんに言った。

「ちょうど良かった。俺ももう終わるからさ、良かったら食事しに行かない?」

「え?社さんとですか?」

「うん。俺もさ、一人暮らしで帰ってもひとりで空しくコンビニ弁当食べるだけだから、良かったらキョーコちゃん、俺の夕ご飯につきあってくれないかな?って思ったんだけど」

「もしかして!社さんまで敦賀さん並みのぞんざいな食生活されてたんですか?!」

「いや・・・蓮程じゃないよ?」
社さんの発言に突如表情を険しくした最上さんの態度に、社さんは少々圧されながらも弁解していた。

しかしこんな時だけ俺をひきあいに出さないで欲しい・・・。

「でしたら!差し出がましい様ですが、私が社さんのお家でなにか作りましょうか?」

「なっ!?」

最上さんの発言に思わず俺が反応してしまった。

この娘は・・・・・超天然だとは思っていたけど、ここまで警戒心ゼロだったのか!

「じゃあ、いつもの様に俺の家で作ってもらうっていうのはどうかな?」
さらりと何の疑いも持たれないように提案した。
俺の言葉に最上さんはポンと手を叩いた。

「そうさせてください!そうすれば敦賀さんにもちゃんとした食事がしてもらえますから!」
人のためだというのに、なぜか嬉しそうに先を急ぐ最上さんの後姿を見て苦笑が漏れた。

その時、社さんがそっと俺に近づいてきた。

「邪魔するなって言ったよな?蓮」
そう耳打ちして俺を一瞥するると、いつもの笑顔に戻って最上さんの後を追って行った。

俺は・・・・守りたい。
最上さんを。
純真な彼女が誰かのものにならないように。
この手で彼女を守りたい。
その為には社さんと対立しなければならない。
過去の過ちを乗り越えなければならない。
覚悟を決めなければと、ふたりの後姿を見て思った。



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