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愛を語るよりも、君に追いかけてもらいたい・・・(後編)

LMEの廊下をどれだけ走り回ったのか、さすがにキョーコも疲れ果て、全速力で走っていた速度を徐々におとしていった。
後ろを振り返っても誰も来ないことを確かめるとキョーコはやっと走るのをやめて歩き始めた。

「はぁ~・・だって、嫌なものは嫌なのよ・・・・はぁ・・はぁ・・」
辛そうな表情を見せ、腕をさすりながらそんなことを言った。

「・・敦賀さんにも社さんにも挨拶もしないで逃げてきちゃったし・・どうしよう・・は・・はぁ」
廊下ですれ違った2人を思い出しキョーコは罰が悪い顔をすると歩くのをやめて、その場に立ち止った。

いつの間にか屋上へ上がる階段の手前まで来ていたことに気が付きキョーコはクスリと笑った。

「・・私って・・考え事したり、逃げたりする時はいつもここか・・・」
そう呟いてキョーコは屋上に上がる階段をじっと見つめると、クスクスと笑いながら階段をのぼりはじめた。
屋上に到着すると重たい扉をゆっくりと開ける。
日差しがキョーコの足元に降り注ぐとなぜか心がワクワクしてするキョーコはこの瞬間が好きだった。

「あぁ~気持ちいぃ~」
すがすがしい風がキョーコの顔をなでる。日差しが強くなり夏が近づいてきたことを知らせているようだった。

「ん~・・これからどうしよう・・」
大きく伸びをして空を仰ぐと、ゾクゾクするほど艶っぽい声が聞こえてきてキョーコは振り返った。

「本当だね・・そんなに逃げ回っていても解決しないよ?」

「つ、つ、敦賀さん・・・・」
キョーコが後ずさりしながら蓮から離れていく。それに気が付いた蓮は追い詰めるようにニコニコとしながらキョーコに詰め寄った。

「・・なんで逃げるのかな?」

「だ、だって・・その・・モ、琴南さんに頼まれたから・・こちらにいらしたのでは・・?」
警戒心むき出しの表情でキョーコが尋ねると、蓮は驚いた顔をした後にクスリと笑った。

「いや、違うよ・・ま、ことの始まりはそうだけど・・君を迎えに来ただけだよ?・・どうして逃げているのか訊いても良いのかな?」

「・・だ、だ・・ダメです・・・・だって・・その・・・・・」
キョーコが恥ずかしそうにモゴモゴと聞こえないほど小さな声でつぶやいていた。その表情があまりにも可愛いくて蓮は、無表情に固まるとキョーコに手を出してしまわないように腕を組んだ。
まるで怒っているような蓮のその姿にキョーコは怯えるような表情を作る。

「そう・・俺には言えないようなこと?」
蓮のそんなセリフにキョーコは慌てて両手を振りながら否定すると落ち着きなく視線を泳がせた。

「い、いえ・・その違うんです・・あ、あの・・・・絶対に笑いませんか?」
予期していなかったセリフとキョーコのその表情におさえこんでいた邪な感情が顔を出す。

「・・・・笑わないよ?・・で、どうしたの?」

「その・・今日が何の日か知っていますか?・・・・敦賀さんもそれで、事務所に立ち寄ったんですよね?」

「あぁ・・健康診断だよね?・・それが?」

「・・・・それから・・逃げて・・・・いたんです・・」
聞えないほど小さな声でキョーコが恥ずかしそうに上目づかいで蓮を見ると、しっくりとこない返答に蓮は首をかしげた。その様子を見てキョーコはため息をつくと重たい口を開いた。

「えぇっと・・その・・・・注射が・・採血が・・だめなんです!!!」
半泣きの表情を見せたまま、キョーコが眉をへの字にして事細かに説明を始めた。
子供のころに病室を間違えて採血の部屋へ入ってしまい、その時に目にした光景が今でも忘れられないと言う。試験管に血液が噴水のように入っていくのを目にして、驚いてそのまま倒れてしまったらしい。気がついたら自分の部屋にいたのでそれ以上はわからないと言った。以来注射や採血は怖くてどうしても近寄れないということだった。

「その・・・・ずいぶん可愛らしい話・・だね・・?」

「・・良いですよ・・笑いたかったら・・笑っても・・」
キョーコのいじけた顔が可愛すぎて、蓮は目が離せなかった。

「でも・・最終的には採血するんでしょ?・・俺が連れてってあげるから・・・・一緒に行こうか?」
人見知りするをする犬のようにキョーコが蓮を見上げて様子をうかがっている。人に慣れていない犬が心を開く瞬間のようで蓮は少しワクワクしていた。

「・・・・だ、ダメです・・いくら敦賀さんが・・そう仰ってくださっても・・その無理・・です。」

「じゃ、一人で行くの?」

「えっ・・そ、・・・それは・・もっと・・無理です・・・」
しょんぼりとした表情で、再び蓮を見上げる。
これ以上俺の理性を試さないでほしいと心の中で叫びながらキョーコに手を差し伸べた。

「さ、追いで・・連れて行ってあげるから・・」

警戒心の強い犬が一歩足を踏み出すようにキョーコは蓮の差し出した手を取った。
蓮はその手を強く引き寄せると軽々と抱き上げ子供を抱っこするようにキョーコを抱き上げた。

「さ、行こうか?」

「えっ!!っちょ・・つ、敦賀さん・・・こ、こ、ここまでしていただかなくても・・あ、歩けます。」

「ダメだよ・・また、どうせ逃げるんでしょ?」

「ぅう・・に、逃げませんよ・・?」

「信用できないから連れて行くよ・・大人しく俺の首にしがみついていてくれるかな?キョーコちゃん?」
子供をあやすような口調にキョーコはムッとして蓮をじっと見つめる、思った以上の至近距離でクスクスと笑う蓮の顔にキョーコはすぐに視線を逸らした。

「お、お願いします・・・・」
恥ずかしさのあまり、蓮の首に顔をうづめる。
蓮はしばらくこのままこうやってキョーコを抱きあげていたいと思いながら、ゆっくりと採血室へ向かった。

「あの・・・・ちゃんとそばにいてくれますか?」
キョーコの小さなつぶやきに蓮は再び幸せそうにクスクスと笑った。

「いつまでも一緒にいてあげるよ?」
思わず零れ落ちた本音、いつかちゃんとした形でキョーコに伝えたいと思っていた。


「その・・ありがとうございます・・」


「どういたしまして・・」


優しく微笑んでキョーコを見つめると、その腕に抱き上げたままドアの中に入っていった。








後編のくせに・・つづくよぉ~
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