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風に揺れる蓮の花(6)

次回・・・やっと最終話です。

では、引き続きをどうぞ
「・・・と、そうだな・・あ、階段の段差を使った方がいいな・・・キョーコ君、その階段2段くらい上がって・・そう、そこ・・あ、もう一段上の方がいいかな・・。」

「はい、こちらですね・・ここで大丈夫でしょうか?」

「あ、いいよ」

「じゃー・・・。蓮一歩彼女に近づいて・・・ん?なんか違うな・・・ん~~~。」

「どうしました?」

「なんか、ちょっと硬い感じがするんだよな・・・、蓮ちょっとこっち来て・・キョーコ君悪いんだけど、1分くらい待ってね」

「はい!」
カクテルドレスに身を包んだキョーコの姿と、勢いのある返事の違和感に、カメラマンは微笑んだ。



「・・・って、ことで、・・なんだよ・・・・だから、蓮が・・・で・・最後に・・・してみて?」

「え、本気です・・か?」
驚いた表情でカメラマンに確認した。

「おお、マジ」
カメラマンの瞳は真剣だった。
一瞬、考えるそぶりを見せたものの、わかりましたと承諾し、蓮は大きなため息をついた。

「ふぅー、・・撮影後に彼女に避けられないといいのですが・・・」
蓮は仕方なしに、指示に従うことにした。そんな蓮の様子を見てカメラマンは興味深そうに一瞬キョーコを見ると再び蓮に視線を戻した。

(・・お前、変わったな・・・。)

人に嫌われたり、避けられたり、なんてことを今まで考えることなく、誰にでも分け隔てなく付き合っていた蓮からは想像できない一言だった。
カメラマンはキョーコの元にゆっくりと歩いていく蓮のうしろ姿を見て嬉しそうに目を細めた。


「おまたせ、キョーコ。」

「あ、はい・・え?」
急に名前を呼ばれたことに驚き、小首を傾げて蓮を見つめる。

「恋人同士の設定だからね、気合を入れて演じて来い。って言われてきたんだよ、クス」

「そうだったんですか、すみません。こういう撮影慣れていないので、よろしくお願いします。」

「こちらこそ、では、お手をどうぞキョーコ」
気取った仕草で、キョーコに手を差し伸べた。

「ありがとうございます、敦賀さん・・じゃないですね・・えっと れ、蓮?」
恥ずかしそうに微笑みながらキョーコは蓮を見上げた。
それにこたえるように蓮はゆっくりとキョーコに近づくとそのまま柔らかく抱きしめて小声でつぶやいた。

「・・よくできました。」

キョーコは一ビクッと体を震わせたが、すぐに気持ちを切り替えると。蓮に身体を預け、ゆっくりと背に手を回した。
「さ、始めるよ!お二人さん」

「はい、いつでもいいですよ」
蓮は、キョーコを抱きしめたまま返事をし、キョーコは蓮の腕の中で軽く身じろぎした。

「蓮、キョーコちゃんと階段の前に移動して、階段の段差で少し話をしてくれるか?まずは、キョーコ君をリラックスってところだな、・・適当なところでそのまま撮影に入るから。」

「わかりました。」
蓮は抱きしめていた手をほどき、キョーコを見つめた。
キョーコはドキドキしすぎて、カメラマンの指示など聞こえるはずがなかった。

「・・ということでキョーコ、何の話をしようか?」

「え・え・っと・・お、お話ですか?」
蓮に解放されてもなお、ドキドキはおさまらず、言われたことをオウムのようにそのまま返すことしかできいほど動揺していた。

「子供のころの話とか?」

「こ、子供のころの話・・・ですか?」

「好きな花とか?」

「・・・好きな・・花・・ですか?」
しばらくそんなやり取りをしていると、少しずつ落ち着きを取り戻したキョーコが急にあらたまって蓮につぶやいた。

「・・なんか、不思議な感じです。敦賀さんを独占しているみたいで、・・全国の女性たちに恨まれてしまいそうです。」
恥ずかしそうにつぶやくキョーコの姿に蓮は見入っていた。

「・・独占しているみたい。じゃなくて、・・・キョーコのためだけだよ。・・この腕も・・心も・・。」
真実を含んだその言葉は、決してキョーコのもとに届かないとしても、今の思いを告げることが、これほど嬉しいことだとは思わなかった。触れたいと思う気持ちが、自分のものにしたいと思う欲望が、そろそろ抑えられなくなってきていた。

「それと・・今は「蓮」って呼んでくれないと・・」
気がつくと蓮はキョーコの髪に手をかけ、優しくなでていた。

「キョーコ、君は本当に・・・可愛いね・・」
素でそんなことを口にして、愛しいものを見つめる瞳でキョーコに視線を合わせた。キョーコはさらに真っ赤になり、返事に困って戸惑っていた。
そんな顔も、姿もすべてが可愛いくて、蓮は視線を外すことができなかった。

「・・と、ところで、さっきカメラマンの方と何を話していたんですか?・・ずいぶん楽しそうでしたが?」
口を少しとがらせて、いじけた姿のキョーコが蓮に尋ねると、その姿を見て楽しそうに蓮が笑った。

「これから教えてあげるよ・・といってもこの撮影会は時間が短いからね。」

「はい、残念です、こんなに可愛い衣装を着る機会も、後数分で終わってしまうなんて・・。あの?ところで、すでに撮影が進んでいるようですが、このままお話をしているだけでいいのでしょうか?」

「大丈夫だよ?・・カメラマンの指示通りだから。」
仲良く話をしているとまるで、キョーコの声が聞こえたかのようにカメラマンから声がかかった。

「・・・蓮!!そろそろいいよ」

「??何か指示が来ましたよ?・・私も何かした方が?」
キョーコは心配そうに蓮を見上げた。

「いや、大丈夫・・・ただ、俺が今から行動することについて・・君を傷つけないということを・・信じてほしい・・・。」
蓮の優しい瞳が心配そうにキョーコを見つめる。

「もちろん大丈夫です!つる・・・・・・・蓮が・・私を傷つけるわけないわ?」
キョーコは素早く気持ちを切り替えて蓮に告げた。

「ありがとう・・・キョーコ、じゃ、恋人ごっこの幕開けだね。」
挑むような視線を向け、ニッコリと笑みを浮かべた蓮に、キョーコも同じように微笑んだ。


瞳には強い光が差し込み、幕開けの合図とともにキョーコは妖艶な雰囲気をまとった。



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