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ゆきの姫(後編)

唇に触れたのは・・・・

夢だっただろうか・・
それとも、現実だったのだろうか・・




ゆきの姫(後編)





「ふぅ~~、しかしこの衣装重いな・・・・」

ウィッグを付けさらに重量を増したキョーコの衣装はすでに30キロ近くあった。

椅子に座りながら、先ほどみせてもらったウィッグを思い出す。
銀色にちかいサラサラの金髪、椅子に座るとその長い髪が床につきそうなほどだった。
数本の髪を束ね、先端にはキラキラしたガラスの装飾がついている。そのガラスが光に反射して色々な色を放っていた。
冷房の効いた控室で、ただ座っていることしかできず、キョーコは時計に視線をむけると待ち時間を確認した。

・・あと20分。

全身を縛られているようなこの衣装で唯一できることは、仮眠をとることだった。

「・・・・寝ようかな?」

顔を動かしてもフードが邪魔をして左右の視界もほとんどない。
大きな布に包まれているせいか、守られている気がしてやけに安心できる。

・・・・まるで抱きしめられているみたい。

そう思ったのを最後にキョーコは浅い眠りについた。



微かに扉をたたく音が聞こえた気がする。
身体を包む優しい布地の感触が心地よくて目覚めたくないとそのまま眠りについた。

なぜか頬に暖かい感触が広がり。
遠くで優しい声に名前を呼ばれた気がして軽く首をかしげたはずなのに、重量のあるウィッグがそうさせなかった。
再び暖かい感触が頬に広がると今度は唇に柔らかい温もりを感じて、その感触を求めるようにゆっくりと瞳を開いた。
まじかに迫る美貌に驚いて、その瞳とじっと見つめた。

「おはよう・・ゆきのお姫様?」

「あ、お、おはようございます・・つ、るがさん・・どうしてこちらに・・?」
キョーコは立ち上がろうとして動けないことに気が付いた。

「立ち上がるの?・・その衣装だと立ち上がるのは大変だと思うけど・・手を貸そうか?」
そう言われて、自分が衣装を着たまま眠っていたことを思い出した。

・・・・これは夢?

「あ・・いえ・・大丈夫です・・」

「そ、それより・・敦賀さん・・・・あの・・どうして・・ここに・・」

「Gスタジオの噴水のオブジェを見てね・・本物に会いたくなったんだ・・」
その言葉にキョーコは驚いて目を見張る。

その美しい女性像が自分をモデルにしているなんて、当の本人でさえ分からなかったというのに、いともあっさり、それがキョーコだと気が付いたことに驚いていた。
着替え終わったキョーコを前にして、はじめて周りのスタッフに、そっくりと言われた時と同じくらい、今蓮に言われた言葉に驚きを隠せなかった。

「よ、よく・・お分かりになりましたね?」

「君のことをよく見ているからね・・ま、君が俺を見ているほどではないと思うけど・・クス・・何て言ったって、カインを一発で見抜くくらいだからね・・」
キョーコはその言葉に頬を染めた。

メイクでいつもより少し白い肌が、ほんのりと色づく
蓮は心の奥がザワザワと揺れ、知らずにキョーコの頬に手を伸ばしていた。

『ゆきの姫』像の閉じられた瞳は男心をくすぐる・・
その瞳が開いたら、いったいどんな表情を見せるのだろう・・

閉じられた瞳が開き、頬を染めたその姿は瞳が離せないほど美しかった。
心がすべて持っていかれるほどの魅力的な笑み、自分だけのものにしたいと思うのは、きっと俺だけではないはず・・・・。
廊下で響いたスタッフの声を思い出す。



「最上さん・・」

「は、はい・・?」
熱っぽい眼差しで見つめられ、キョーコはますます赤くなる。
頬に添えられた手をどけてほしいと思いながらも、からめとられた視線が、重量の増した衣装が、その動きを鈍くさせた。

「・・これ以上・・綺麗にならないでほしい・・嫉妬するよ・・」
こんな姿がCMで流されたら、ますます馬の骨が増える。

「そ、そんな!敦賀さんの方が綺麗ですから!・・私のメイクでごまかしている美しさに嫉妬するなんて・・言わないでください・・・・」

蓮の言った意味を誤解してキョーコがそんなことを言う。
視線のやり場に困って上目づかいに蓮を見つめるその姿は、変わらずにいつものキョーコだった。

「クス・・そういう意味じゃないよ・・君が綺麗になりすぎて、色んな男に言寄られるんじゃないかとおもったんだ・・・・そんな男たちと最上さんが話をするのかと思うと嫉妬する・・ってことだよ・・」

「・・そ、そんなこと・・あるわけないです・・よ・・ラブミー部ですし・・」

「そう思っているのは君だけだよ・・現に俺は今・・君にキスしたく仕方ないんだ・・」

「え?」

「・・・・いや・・?」
応えるまでもなく、蓮の顔が近づいてきた。

この瞳に・・
・・この動きに
囚われないでいられるすべがあるなら教えてほしい・・・

優しく添えられた手の感触に、心臓がうるさいほどドキドキと鳴り響き、頭の中が混乱した。

「・・なんで逃げないの?」

「えっ・・あぁあ、あの・・い、衣装が・・」

「・・重い?・・それは好都合だね・・」
吐息がかかるほど近くに気配を感じ、怖くてギュッと目を閉じる。
微かに触れた唇の感触に体中がゾクゾクと震えた。

・・・・まだ、恋なんてしたくない・・・・
強く心の中で願ってもすでに手遅れのような気がしてキョーコは心の奥にチクリと痛みを感じた。

微かに聞こえた言葉が、夢だと思わせる・・



トントン


ノックの音に慌てて瞳を開くとすでに蓮の姿はなく、驚いて時計の針を見た。

・・・・夢?

「あ、はぁ~い・・どうぞ・・?」
慌ててノックに返事をすると、女性スタッフが扉から現れた。

「失礼します。京子さん・・時間なのでスタジオへ移動してください。」

「はい・・」
女性スタッフに手を借りて立ち上がろうとした瞬間に微かに届いた香りにキョーコは頬を染めた。

・・敦賀さんの香り・・・・

その香りが夢だと思っていた出来事を、現実だと教えた。

夢見心地に聞こえた言葉を思い出し、キョーコは心に淡い想いが広がる。





「・・綺麗だね、最上さん・・・・好きだよ・・・・」









しっとりしたお話になりました!
やっぱり「おまけ」を書こうかな・・とちょっと考え中です・・
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