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Act.166 バイオレンスミッション フェーズ9.5(2)

自宅に帰り、一人ソファーに座ると、キョーコによって意識を取り戻した時の記憶が蘇ってきた。
あの時の温もりを思い出し、しらずに手をきつく握りしめていた。
手放したくない思いと、手放さなければならない思い。その葛藤に深いため息が漏れる。
(俺はまだ、自分は幸せになってはいけないと、そう思っている。これはきっと一生変わらない・・・。社長に言われた通り、俺は、自分を許していなかった。)
(これから始まるBJの役を、本当にやっていけるだろうか。また、しらずに最上さんを求め彼女の差し伸べる手に甘え、そして自分だけ幸せをつかもうとしないだろうか・・・。俺は、このまま・・・どうしたいのか・・・。)

自問自答するが答えは見つからなかった。
葛藤する心、求める温もり・・手放さなければならない想い・・・。
優しい彼女の微笑みが、俺を侵食していくのに、進むことも、彼女への想いを止めることもできなかった。


ブーンッブーン ブーンッブーン

テーブルに置いてある携帯が振動していた。
薄暗い部屋の中で光る携帯は、先ほど意識を取り戻した瞬間の光を思わせた。ソファーからテーブルに向かうと、携帯の表示が社さんからだった。


「蓮?大丈夫か?」

「社さん、お疲れ様です。今日はご迷惑をおかけしました。」

「いや、お前が大丈夫なら・・・よかった。スケジュールの調整やその他は俺に任せておけ。」

わずかな沈黙の後に社は控えめに質問をした。
「・・・ところで、お前一人か?」

「どういうことですか?・・一人ですよ」

「いや、なんか様子がおかしかったから、誰か呼んでたり・・しないのかと思って・・。」歯切れの悪い社の言葉になぜか少しだけ心が軽くなった。

「誰かって・・・誰ですか?・・」

「ぅ・・いやぁ、その・・キョーコちゃんとか・・・?」
社さんの心配が伝わってくる。
いつもは喜んで茶化してくるのに、話しづらそうにしている社さんを想像して蓮は笑った。
すると、まくしたてるように話をはじめた。

「ほ、ほら、BJの役とかで・・お前の様子一番わかってるだろう?・・それに・・。」
一瞬社は言葉をのみこみ、その続きを蓮がつないだ。

「それに、一緒にいたいんじゃないか?って・・言いたかったんですか?」クス
いつもよりワントーン低い蓮の声が、疲れからなのか他の理由があるからなのか、わからなかったが、社は敏感に察した。

「めずらしいな・・・蓮・・・お前・・大丈夫か?」
さすがに蓮自身に一緒にいたいとか会いたいとか言わせるとなると。尋常ではないほどの精神状態なのではないかと心が逸る

「大丈夫ですよ、社さん、心配かけてすみません。」

「なら、いいけど。」半信半疑のままではあるが、蓮がそれ以上踏む込まれたくないのか、その話はこれ以上続けられる雰囲気ではなくなった。仕方なしに明日からの調整された過酷なスケジュールの話をするしかなかった。

「・・というわけで・・しばらく本当に忙しいから、気をつけろよ。」

「わかりました。社さんありがとうございました。」

先ほどまでの暗い部屋が少し明るく感じられる。社さんの優しさが心にゆっくりとしみこんできた。
再び、携帯を机にもどそうとすると携帯が振動し始めた。
表示された名前を見てしらずに笑みが広がった。


「お、お疲れ様です。最上です。・・・あの、敦賀さん・・・・・。その・・・大丈夫でしょうか?」

「・・・心配かけたね、電話・・ありがとう。大丈夫だよ。」

「えぇ~と、その・・・あの・・・。」

「ん?・・どうかした?」

「あの、あのですね。実は・・・ご迷惑でなければ、そのお伺いしてもいいでしょうか?」
意を決したように勢いよく言われ、一瞬何を言われたのか分からなかったので聞き返した。

「え?」

「あぁぁ、あの何でもないです。突然お邪魔したいなんて言って、すみません。ちょっと様子が変だった気がしましたので、大丈夫か心配になりまして・・・」
最上さんがこのまま電話を切ってしまいそうな勢いだったため、慌てて話をさえぎった。

「最上さんなら大歓迎だよ。今どこにいるの?迎えに行こうか?」
逸る気持ちをおさえ彼女に会える喜びに一段と深い笑みを浮かべていた。すでに迎えに行くつもりで玄関に向かった蓮は携帯を片手に目を見開いた。

「そ、その・・・・大変言いづらいのですが・・。」

「もしかして、玄関にいる?」

「え、あっ、・・・はい」
怒られると思ったのかしょんぼりとした声が携帯と玄関の外から聞こえてきた。

蓮は慌てて玄関を開く。
そこにはナツの姿のままの最上さんが立っていた。うれしさのあまり今日何度目かの神々スマイルを浮かべていた。

「こんにちは、最上さん」

「こ、コンニチワ、敦賀サン・・・。そのす、すみません。急に押しかけて・・」

キョーコは上目づかいに視線を向けると、優しく微笑んだ。

「最上さんなら大歓迎だって言ったでしょ?・・さ、入って。」
玄関に入るように促したが、最上さんが後ずさりするような行動をとったことに思わず手を掴んで引き寄せる。
キョーコは眩しすぎる神々スマイルに、しらずに後ずさりしていた。

引き寄せた手を放し、その右手でドアを閉じると、無表情のまま蓮はキョーコをじっと見つめた。

「あ、アアノ・・つ、ツルガサマ・・ゴ気分デモ?」悪いのでしょうか?と言いたかったが蓮の瞳が少し柔らかくなり安堵した。

消え入りそうな小さな声で連が何かを呟いた。
「・・ごめん、最上さん・・・・嫌だったら・・・突き放して・・。」
想いとは裏腹に突き放してくれと言った連はひどく不安な表情を見せた。

「ぇ?」
キョーコは小首を傾げ、聞き取れないほどの小さな声に答えようと蓮を見上げる。


(・・どうか・・・俺を・・・突き放さないで・・)

祈りにも近いその想い、蓮は瞳を閉じながらキョーコの右肩に頭をのせ右手で彼女を抱き寄せた。

ゆっくり近づいてくる蓮の行動に赤面したキョーコはその場で硬直し、驚きで声を出すこともできなかった。

ただ、いつもと違う蓮の様子を察し、しばらく黙ってそうされていたが、気が付くと右手で蓮の髪を撫でながら、ゆっくりと彼に寄りかかった。


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