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ACT.172 サイケデリック コーション(2)

・・・・インタビューの内容をまったく覚えていない。

何を話したのか、ちゃんと受け答えできていたのか・・・・。
いつ・・終わったのか・・。


「最上さん・・緊張した?」

「え?あ・・はい・・すごく緊張して・・その・・私ちゃんと受け答えできていましたか?」
不安そうな瞳で蓮を見上げると、びっくりするほどの優しい笑顔を向けられ、キョーコはずっと奥にしまいこんでいた大切な箱の最後の鍵が開く音を聞いた。

「クス・・大丈夫だったよ・・君はちゃんと答えていたよ・・」



蓮の少し後ろを不安な面持ちで歩く。

初めてのインタビューだからだろうか・・
・・・・本当に緊張だけだったのか・・

下ばかりを見て歩いていたキョーコは、蓮が立ち止まったことに気がつかず、そのまま蓮の大きな背中にぶつかってあわてて謝罪した。

「あ・・す、すみません・・」

「最上さん・・少し外に出ようか・・」
蓮はキョーコの腰を引き寄せると慣れた手つきでエスコートした。
会場に向かっていると思っていたキョーコは、さっきまでいた場所からどう歩いてきたのかわからない場所にいることに気がついて戸惑う。

蓮に連れられるままに広い廊下を歩き続けると、正面に大きな窓が見えてきた。その窓に近づくと、幻想的にライトアップされた庭園が広がっていて、キョーコは喜びの声を上げた。

「うわぁ~綺麗・・・・」
その声を聞いて蓮は微笑んだ。

「会場に入る前に見つけて・・・・最上さん、こういうの好きだろうと思って・・」

「はい、すごく・・すごく好きです」
さっきまで沈んでいた気持ちが嘘のように喜びに変わった。

「外は寒いから・・ガラス越しの方が良いかな?」

「いえ、せっかくなので、少し外に出ても良いですか?」

「そう・・じゃ、ちょっと待って・・」
蓮はジャケットを手際よく脱ぐと、そのままキョーコの肩にかけた。
まるで蓮に抱きしめられているような錯覚にキョーコはドキドキしてうつむいた。

敦賀さんの香り・・・・
・・これ以上優しくしないでほしいと思いながら、心はそれを喜んでいた。

「よし、・・じゃ行こうか?」
蓮はキョーコの手をとって軽く力を入れて引き寄せると、肩を抱いた。

「・・ありがとう・・ございます」
蓮の優しさに、温もりに、心の奥に深く埋めていた箱がゆっくりと開きはじめる。
もう、自分では止めることができない。

枯れた泉に水が湧き上がるように・・・・

その泉の水は、いっぱいになるのにそれほど時間はかからないだろうと、自分の想いを認めると、少しだけ心が軽くなったことに、笑みを浮かべていた。


「敦賀さん・・素敵な場所に連れてきてくださって、ありがとうございます。・・それから・・さっきは・・その・・・・」
謝ろうとしたところで、蓮に優しく抱きしめられた。

「ごめん・・。貴島君に寄り添う君を見ていたら・・気持ちが抑えられなくて、さっき最上さんが言ったことは、・・・・その通りだよ・・。」
キョーコは意味が分からず、だまって蓮の話を聞いていた。


「俺は・・最上さんをどうにかしたいって思っていたんだ。だから貴島にエスコートされて、しかも綺麗に着飾って現れた君を見て・・・・嫉妬したんだ。」
言われていることは、わかった。
ただ、その内容を理解できなかった。

敦賀さんが・・嫉妬するなんてことを想像できなかった。

「これからも君の周りには、貴島のような奴が何人も現れるだろう・・きっとその度に俺は嫉妬して、また君に小言を言ってしまうかもしれない・・」
ゆっくりと語られる内容が、自分のことではないように思えてキョーコは夢見心地にその話を聞いていた。



「好きなんだ・・・・最上さんのことが・・」



耳元でささやかれるその言葉に
少しきつく抱きしめられたことに・・・体が震える。

「・・誰にも渡したくないくらいに・・」
待ち望んでいたその言葉を、今、言われると自分の生み出した幻なのではないかと不安になる。


「・・さて、会場に戻らないと・・」

抱きしめていた腕を名残惜しそうに手放す。
また貴島のもとへ彼女を送り出さなければならないのかと思うと、このまま連れ去りたい思いがこみ上げてきた。

だが、今の俺に・・その権利はない。


歩きださないキョーコに振り返ると、ひどく硬い表情をしていた。

まだ、・・彼女に伝えるには早かったのだろうか・・
そう思いながら寂しそうにキョーコに視線を向けると、その唇が何かを言っていた。


「最上さん・・なんて・・言った・・」
キョーコの唇に瞳が釘付けになる。


「・・私の・・・・は・・ないんですか・・」
蓮は額を押さえると慌ててキョーコのもとに戻った。

彼女は今なんていったんだ・・・・

「なんて・・」

「私の気持ちは・・訊いてくれないんですか?」

彼女の言葉よりも・・その熱っぽい瞳が・・
・・恥ずかしそうに向ける視線が・・
俺に期待させる


彼女の言葉を聞きたいのに体が意志とは無関係に動き出し、彼女を求めた。
キョーコの頬を両手で包み込むと蓮はその瞳をじっと見つめる。

「最上さん・・今・・・・」
自分の心臓の音が早鐘のように鳴り響いている。
彼女の愛らしい頬を包み込んでいる手が、微かに震え次第に温度が奪われていくのを感じた。


「・・好き・・・・なんです・・」

キョーコがその先を続けようと口を開きかけると、蓮はその唇を奪うようにキスをした。


今自分の想いを伝えずにいつ伝えると言うのだろう・・・・
震えるキョーコの体を抱きしめると何度も口づけを交わした。

まだ肌寒い春の風が2人を包みこむ。


再びキョーコを強く抱きしめるとその髪に顔を埋めしばらく抱き合っていた。




「もう、離さない・・・」

離せない・・・・



その言葉にキョーコは小さくうなずくと、蓮の背中に腕をまわした。








おしまい

また、別バージョンを書きそう・・不安・・
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