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ALARM(後編)

「・・・蓮、キョーコちゃん・・また、誰かのマネージャ・・とか・・やってるのか・・?」

「いえ、そんな話は聞いていませんが・・」
冷静に答えながらも、心は複雑な心境だった。
HASUNEと呼ばれる女性に会いたいような、会いたくないような、ただこのままではいけないという気持ちが蓮の中には生まれていた。

ただ、ファンの気持ちなのか・・それとも・・・

自分でそんなことを想像して大きく頭を横に振った。

・・・そんなわけない・・。
やっと手に入れた愛しい少女の顔が頭をよぎる。

自分の気持ちに自信が持てず、蓮はため息をついた。

「蓮・・やめておくか?」
不安そうな蓮の表情を見て、社はそんなことを言った。

「いえ、行きましょう・・。」

行ってその気持ちを確かめたいと思った。
このままでは最上さんとの生活を楽しむことができない。



スタジオに入るとすぐにスタッフに声をかけられた。
蓮の姿を見てスタッフが不思議そうな顔をしたが、少しスタジオを見学させてほしいと伝えると この後の予定を簡単に教えてくれた。

「・・・・というわけで、もうすぐ4人揃うので、CM第二弾の、撮影が開始されますから・・」

舞台のようなセットには、すでに3人が立っていた。
その3人をじっと見つめた後、蓮は視線をそらし、何かを探していた。
その様子を見て社はHASUNEちゃんがいなんだなと思った。

・・・どうみても同じ容姿の3人、どうしてわかるんだ?
そんな疑問が社の心に残った。

「・・もう、第二弾やるんだな・・」

「そうですね」
そう答えた蓮の表情は、さっきよりも一段と硬い。

リハーサルを始めたのか急に大きな音が流れ始めた。曲が流れると色々な方向からライトが舞台の上を照らし、3人が軽やかに踊り始めた。その様子を蓮と社はドアの近くで、じっと見つめていると、背後で ガチャと小さな音がして、2人は振り返った。

銀髪のサラサラのショートボブの女性が一瞬驚いた表情をした後に、無表情に近い笑みを浮かべて軽くお辞儀をした。

その何気ない仕草にも蓮は、心を奪われた。
本人を目の前に、頭を殴られたような衝撃が走る。
・・これが恋心だというのなら、間違いなく一目ぼれだった。
視線が逸らせない。

綺麗な鍛え上げられた足を見つめると、その瞳をそらすことができなかった。
モデルのような美しい歩き方。
すべてが蓮の心をとらえていた。

・・・最上さんに合わせる顔がない・・。
決定的な心の動揺に蓮は、深いため息をついた。


男性スタッフと耳元で何かを話、彼女は手に持っていた携帯電話をそのスタッフに預け何かお願をしているようだった。そして男性スタッフがそれに頷くのをみると、セットの方へ歩いて行った。

その何気ない行動に知らずに嫉妬心が宿る。

鋭い視線で男をみて、舞台へ向かう彼女の背をじっと見ていると社がため息をついたのが聞こえてきた。

「はぁ・・蓮・・お前ひどい顔してるぞ・・。」

「はい・・自分でもそう思います・・。」
短く答え、ピリピリした空気を背負っていた。

「そういえば、キョーコちゃんて、ここで仕事じゃなかった?」
その言葉に蓮は、ドキリと鼓動が跳ねた。

「・・そういえば・・いませんね・・。」
キョロキョロあたりを見回していると、セットの方で本番さながらのリハーサルが始まった。

HASUNEと呼ばれている女性が舞台へ上がると、そこだけ、やけに華やいでみえた。リズムに合わせて踊り始めた彼女たちに視線を向けると、やはり蓮は視線をそらすことができなかった。
恐ろしいほどの威力で、瞳が吸い寄せられる。その艶めかしい動きに、鍛えた細い腕に、身体に、手を這わせたい欲望がわいてき蓮は無理やり視線をそらした。

「・・社さん・・行きましょうか・・。」

「え?・・あ・・いいのか?最後まで見なくて・・。」

「えぇ、・・大丈夫です・・。」
少し青ざめて見えるほど蓮の顔に血の気がない。そんな様子を見て社はあわてて蓮を覗き込んだ。

「おい、大丈夫か?」

「あ、はい・・すみません」
自分の心の中に宿った新たな想いが許せなかった。
ドアを出ようとしたその時に、先ほどHASUNEと話していたスタッフが蓮に話かけてきた。

「敦賀さん・・・これ・・渡してくれと頼まれましたので、お渡ししますね?」
言われるままに蓮はそれを受け取った。見覚えのある携帯電話に心の奥がズキリと痛む。

「・・これは?」
蓮は知らないふりをしてスタッフに聞くとスタッフの方が驚いた顔をした。

「HASUNEが敦賀さんに渡してくれって・・・・。身に覚えないですか?」

「身に覚えは・・あるだけど、なぜ彼女が?」
紳士的な受け答えをしている蓮を見て、社はセットの中のHASUNEへ視線を向けた。

・・・・ん?
社は何かに気が付きそうになったが、それが何かわからず、状況を整理し始めた。
この男性スタッフと話をする前に確かにHASUNEは、携帯電話を触っていた・・そう・・HASUNE自信が・・。

そしてその携帯電話を蓮に渡す意味。
このスタジオにいるはずの少女が見当たらない・・。

再びHASUNEに視線をむけ、蓮に渡された携帯電話を見つめると社はグフグフと気味の悪い笑いをはじめた。

「社さん・・なんですか・・その気味の悪い笑い方は・・」

「いや、ちょっと・・グフグフフフフ・・蓮・・お前5分前くらいにメール受信していないか?」
そう言われて蓮は、持っていた上着から携帯電話を取り出すと、社の言った通り、メールを受信していた。

それを見て、社はスタッフに ありがとう この携帯は預かっておくって約束したものだから といいながらもスタッフに念のため質問をした。

「これって、HASUNEさん本人の携帯ですよね?」
確信に満ちた顔で社はそういうとスタッフは ええ、そうですよ と言った。

蓮はその言葉を聞いて耳を疑った。


だって・・・この携帯電話は・・。


蓮は混乱したままセットに視線を向けた。
手に持っていた携帯電話をいつの間にか強く握りしめ、視線をそらせないその意味を理解すると息を吸うのも忘れてHASUNEを見つめた。

受信したメールの表示名を見るまでもない。


「よかったな・・蓮。・・・浮気心じゃなくて、一目ぼれした相手が、自分の彼女で・・。」
小さい声で社がニヤニヤしながら蓮に向かってそんなことを言う。

だが、その声がとどかないほど蓮は動揺していた。



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