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悪夢(後編)

社と別れると蓮とキョーコは、微妙な距離をとりながら廊下を歩き、LMEの2Fにある社員用のカフェに立ち寄った。

蓮は自分から話しかけることもためらうほど、キョーコが憔悴しているのを感じた。運ばれてきたオレンジジュースに手を伸ばすこともなく、ただ一点をじっと見つめたまま、キョーコはまったく動かなかった。

「・・・最上さん?」
蓮は心配そうに声をかける。
キョーコはその声にゆっくりと視線を上げ、蓮をじっと見た。どこか焦点の合っていないうつろな瞳。

「敦賀さん・・・すみません・・ねむたくて・・」
そう言うとキョーコは、グラッと身体を揺らしテーブルにゆっくりと倒れこんできた。
蓮は慌てて両手をかざし、かろうじてキョーコの頭を支えることができ、ため息をついた。

「も、最上さん?」
キョーコの頭を支えたまま蓮はどうするべきか考えていた。

また夢を見ていたら・・・目を覚ました時にキョーコに怯えられる?
そう考えただけで、心に小さな痛みが走る。

さすがに・・つらいな・・。

キョーコに避けられるのは自分で想像していた以上につらいことだった。

「蓮・・・待たせたな・・って、何やってんだ?」
キョーコの頭を両手で支えて困り果てている蓮を見つけ社は笑いながら近づいてきた。

「社さん・・笑ってないで助けてください。」
テーブル向かいに座っていたため、キョーコの頭を支えたまま席を移動することもできず、おろおろしている蓮をみて笑わずにいるのは難しかった。
社はとりあえず、キョーコの頭をテーブルにゆっくりとのせると、そのまま眠らせることにした。

「しかし・・キョーコちゃん大丈夫か?こんな調子じゃ仕事に支障があるよな?・・なんか例の仕事で影響受けるようなことあったのか?」
社に言われるまでもなく、蓮も最近のBJでの撮影現場での出来事を思い出していた。

確かに最近は人を殺し続けるようなシーンばかりだった・・・。

「ぅ~ん・・確かにあまり良いシーンではないですね。最上さんの悪夢の原因の一端ではあると思います。」
蓮は苦い顔をして、キョーコに視線を向けた。これからさらにBJの仕事が多くなる。そんな中、最上さんにまた避けられるようなことがあったら、自分は耐えられるだろうか?

「そうか・・ま・・仕方ないとは言え・・つらいな・・。」

「それより・・このままここに置いていくこともできないですし・・・かといってラブミー部に連れて行って一人にするのも・・・。」
蓮は眠っているキョーコをしばらく見つめた後、少し離れたテーブルに視線を向け、何かを考えているようだった。
社はそんな蓮の様子をみて名案がないか考えてみると、何か思いついたのか手帳をペラペラとめくり始め、そしてニンマリと笑った。

「蓮・・・キョーコちゃんのこれからの予定・・DARKMOONの撮影だ・・一緒に連れて行けば大丈夫そうだ。」

「ふぅー、それはよかった。・・でもどうやって連れて行きます?」
蓮は一安心といった感じの表情でため息をつくと、そんなことを言った。

確かに人が少ない時間帯とはいえ、蓮が連れて行くとやたら目立つし・・。
それにまた夢をみていたら・・目覚めたキョーコちゃんは怯えるだろうな・・・。

寝ているキョーコに視線を向けると2人して黙り込んだ。

「社さん・・彼女をつれてきてもらえますか?」
そう言うと蓮は車のキーを取りだし、社の荷物を持つと苦笑した。その様子はどこか寂しそうで社は素直に返事ができず、蓮から視線をそらし小さなため息のような返事をかえした。

「・・あぁ・・。」
社は疲れ果てて寝ているキョーコを抱き上げようとしたところで、異変に気が付いた。眉間にしわを寄せて眠るキョーコが何か小さな声で言っている。

「蓮・・・。」

「・・なんですか?」
すでにカフェの入口に向かっていた蓮は社に呼び止められ振り返った。

「キョーコちゃんが何か言ってるんだけど・・しかも・・またつらそうな顔しているし・・起こした方が良いのかな?」

その言葉に蓮も心配になってキョーコのもとへ戻りキョーコを覗き込んだ。
眠っているのにどこか怯えて見えるその表情に蓮は心が痛んだ。
知らずにキョーコの頭に手をのせて優しくなでる。

「・・けて・・・。」

微かに聞こえる 助けて の声。
俺に何かしてあげられるとしたら、君を眠りから起してあげることぐらいだ・・。
悪夢は身体に良くないことはわかっている。ただ、礼儀正しい彼女が会話の途中に眠るほどの睡眠不足に素直に起こす気にもなれなかった。

「蓮・・・やっぱり起こすか?」

「そうですね・・でももう少し人の少ないところの方が良いかもしれませんね・・とりあえず移動しましょうか?」

「そうだな」
そう言って社がキョーコを抱きあげようとすると。

「・・たす・て・・・・・・っるが・・さん・・。」
怯えるように身を固くして眠るキョーコが助けを求めた先は、蓮だった。

社はキョーコに伸ばした手を止めると、茶化すようにニンマリ笑いそして蓮に言った。
「・・だって・・敦賀・・さん。」
蓮に振り返ると、そこには溢れんばかりの愛しさを募らせた蓮の顔があり、社は茶化すどころか絶句した。

「やっぱり・・俺が連れて行っても良いですか?」
そう言った時にはすでに蓮はキョーコを抱き上げていた。

「れ、蓮・・それは・・。」
まずいだろう・・の言葉は間に合わず、蓮は人目もはばからず、キョーコの額にキスをした。


わかるよ・・気持ちは・・・。
避けられて、怯えられて・・・最後に『助けて・・敦賀さんだよ・・・』
そりゃ・・・蓮の心は穏やかじゃないと思うけどさ・・・。

人も少ないし・・LEMの社内だけどさ・・
でも公衆の面前はないだろう・・・蓮・・。
しかも何人かに見られているし・・・。




心の中で社はブツブツと独り言をいって、これから噂になるであろう2人の関係の言い訳を山のように考えていた。
もちろん蓮のその行動に女性社員達が悲鳴を上げたのは言うまでもない。











蓮様の「ときめきスイッチ」をキョーコに連打される・・の巻でした。
どうでしたか?
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