スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

社長の陰謀(20)

「あ、えーと、・・・し、失礼します」
そういってキョーコは蓮に近づいた。

キョーコが急に失礼しますと言って近づいてくる意味が分からず、キョーコを見上げていると甘い香りに包まれた。
蓮は息ができないほどの切ない痛みに心がはち切れそうだった。



(え?)

不意に訪れた優しい温もりに、心が早鐘のように音をたてはじめた。
キョーコからまさか抱きしめられるとは・・・
ゆっくろと瞳を閉じると蓮は抵抗することなく身を委ねる。

「あ、あの・・すみません、ど、どうしたらいいのかわからなくて・・セスに相談したんです。」
今、一番聞きたくない名前を言われ、心の中に何かが深く刺さり、黒い影が忍び寄る。
ただ、この状況を無理やり自分で終わりにすることなどできるはずもなく、苦しい胸の内をじっと耐えることしかできなかった。
キョーコは蓮のその想いに気が付くことなく先を続ける。

「その・・それで、セスが言うには・・・。」
キョーコの続ける話を黙って聞いていられるか不安に襲われる。このままキョーコの細い腰に手をまわし、きつく抱きしめることができたら・・。

・・安らぎと苦痛のはざま

彼女を抱きしめたい想いをギリギリのところで耐える。

「私が、敦賀さんにどうやって助けてもらったか、どうすれば心が休まったか・・考えてみなさいと言われました。・・あの、なので・・・コンナコトニ・・ナッテイマス・・。」
キョーコは恥ずかしそうに小さな声で語りかけてきた。

キョーコは恥ずかしいのを我慢して蓮を抱きしめてみたが、蓮が何も言わず嫌がる素振りもなく・・キョーコはどうすればいいか迷っていた。
しかし蓮の身体がなんとなく自分に寄りかかっているような気がして、そのまま抱きしめることにした。

「あ、あの・・す、少しは・・心が休まりませんか?」
遠慮がちにキョーコが尋ねてきた。
私はコーンのことで不安になったとき、敦賀さんに抱きしめられてとても安心できたんです。だから・・・。

「休まるよ・・でも・・誰にでもこんなことをしたら・・ダメだよ?」
ひどく嗄れた、切ない声で蓮が言う。

「そ、そんな・・だ、誰にでもするわけではありません。つ、敦賀さん・・だから・・デスヨ・・。」
その言葉を聞いて、蓮は抱きしめようと動き出す右手をなんとか力で制す。

「最近一緒にいる・・セスには・・しないの?」
キョーコに抱きしめられたまま、蓮はこんな質問をしなければならない自分にうんざりした。

「え!!し、しませんよ・・セスとはそういう・・・・あ、あれ?」
キョーコは先を続けようとして言いよどんだ。

「セスとは?」
キョーコが途中で話を止めたことを都合の良い方に解釈しそうになる。
抱きしめられたまま知らずに顔がほころんでいた。

「どういう関係なの?」
いや・・今の話の流れからすると・・・。

・・・聞かずにはいられない。

「じゃ、俺とは・・どういう関係なの?」
急速に、暗闇が遠のく。
先ほどまでの刺さる思いは、抱きしめられた時と同じように切ない痛みへと変わっていった。

「え!え・・・っと・・。に、兄さん?」
しどろもどろにキョーコが答える。

「それは、役でしょ?」
蓮は嬉しそうにクスクスと笑う。

「は、ハイ・・ソウデスネ。」

「なんて・・言おうとしたの?」

「え・・っと・・その・・・」
キョーコは頭がパニックを起こしていた。
蓮を抱きしめる手が少しずつ緩まると蓮はその優しい手から逃れて席を立ちあがり、今度は蓮がキョーコを抱き寄せた。

「最上さん・・・なんて言おうとしたのか教えてくれる?」

「ぅう・・そ、その・・セスとは・・そんな関係ジャナイデス・・・ト言オウトシマシタ・・。」
キョーコは先輩に向かってなんて失礼ないことを言おうとしたのかと、土下座する構えでいた。

「じゃ、俺とはそういうことする関係ってことでいいのかな?」
夜の帝王も裸足で逃げ出すほどの妖艶な笑みを浮かべた。

「い、いえ・・そんな失礼な・・ことは申しません・・すみません・・。」
消え入りそうな声でキョーコが謝ると、蓮の腕の中にすっぽりと埋もれるように顔を隠してしまった。
蓮は嬉しそうにキョーコを見つめると少しだけ腕を緩め、キョーコの顎に手をかけて上を向かせた。

「最上さん・・・。」

「はい、ナ、ナンデショウカ?」
びくびくと怯えながらキョーコは蓮に視線を合わせる。
蓮は面白そうにクスクスとキョーコを見つめた。

「頼みがあるんだけど・・・。」

「は、はい・・ナ、ナンナリト・・。」
キョーコは恐怖のあまりガタガタと震えはじめた。

「クス、大丈夫そんなに難しことじゃないから・・。」

「は、はぁ・・。」
そう言われてやっといつものキョーコに戻りつつある。
その様子を見て蓮は微笑んだ。

「最上さん、俺のパートナーとしてアルマンディのパーティに出てくれないかな?」
優しい笑みを浮かべてキョーコを誘う。世の女性なら立ちくらみを起こしそうな美しい微笑。

「嫌です!」
蓮はあまりにも即答で、瞳を大きく見開いてびっくりしていた。

「敦賀さんの同伴者なんて言ったら・・注目の的ではありませんか・・絶対に無理です。いくら敦賀さんのお願いでも・・それだけは無理です。」
きっぱりとキョーコは蓮に言う。

「そう・・・でも、さっき最上さんが、俺とはそういうことする関係だって言ってたから・・パートナーとして出席してくれても良いと思うけど。」

「いえ、無理です。・・それに・・そういうことする関係とは・・言ってないです。」
きっぱりと否定したわりに最後の方は聞こえないほど小さな声になっていた。


ふぅー


蓮は少し考え込んだ後、この娘はどうすれば手に入れることができるのかと思案していた。先ほどまで黒く渦巻いていた闇は姿を消し、春の光が差し込んできたように心が温かい。


ほんの数分の間に俺の心をこれほどまでに変化させるキョーコが愛しくて仕方ない。

スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

遊yuN (ゆうゆん)

Author:遊yuN (ゆうゆん)
スキップビートの蓮キョ不足解消のためにサイトを作成してみました。
定期的に更新できるか!とにかく頑張ってみるべし

カウンタ:


スキビ☆ランキング

最新記事
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
りんく
1289741563.png 1289741563.png リンクはフリーですが、ご一報いただけるととても嬉しくて遊びにいっちゃいます。
艶やかな微笑
peach tea no1 様 光の箱庭
惣也 様 花のうてな
みなみ なみ 様 闇夜の光
カワ 様 melody
Rin 様(2/28に閉鎖されました) SKB
Agren 様 メルヘンの泉
春葵 様 クロクルzakki SB
kuroko 様 Little rin
凛 様
唐紅 -karakurenai-
焔 様
Someone's delusion
Kanamomo 様 pourripot
達磨 様 ド素人のスキビブログ18禁
氷樹 様 ド桃色無印
きゅ。様 こまどタイム
コマド 様 りぼりば -Reborn/Rebirth
ともこむ 様
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

りんく
花とゆめサーチ
花とゆめサーチ 様 スキビサーチ
スキビサーチ 様


LOVER'S NAME
榊 伽夜 様 五十歩百歩
霧崎 様 珍魚落雁
ことりん 様 Dog tail Cafe
夏那様 Om Mani Padme Hum
HINA様 Feast of eternity
珠々様 Feast of eternity ミシャ様 Feast of eternity
真蘭様 Feast of eternity
EyeCo様 Feast of eternity
ミス・ルイーザ様 ☆Happy cosmetics☆
りつか様
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。