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嫉妬(前編)

「京子ちゃん、なんか顔が赤いけど大丈夫?」
百瀬が心配そうにキョーコの顔を覗き込んだ


「え?本当ですか?・・大丈夫ですよ?」
キョーコは慌ててほっぺたに手をあてて、自然に振る舞いながら顔を隠した。

「そう?体調悪いなら・・少し早めにあがったら?・・あ、でも・・今日でクランクアップだったっけ?」

「はい、そうなんです・・美緒ともこれが最後かと思うと・・ちょっと寂しいです。」
キョーコは、話を違う方向へ持ってくことができ一安心しながらも、先ほどから体中がギシギシと音を立てている感覚に見舞われていた。

「あ・・その気持ち何となくわかるわ・・。」
百瀬が何度か小刻みにうなずきながら、話を続けた。
「今回みたいに、少し長い撮影だと、愛着がわくっていうか・・体の一部というか・・・何とも言えない気分よね?」

「はい。明日から美緒になることがないのかと思うと・・本当に悲しいです。」
百瀬とキョーコが寂しそうにクランクアップ後の話をしていた。
すると蓮がスタジオ入りする声がスタジオに響いた。
その声につられるように2人はスタジオの入り口の方へ視線を向けると長身の人影が近づいてきた。

「おはようございます。敦賀さん。」
キョーコはいち早く蓮に挨拶をする。

「おはよう。最上さん、百瀬さん」
爽やかな笑顔を向けて、キョーコと百瀬に挨拶をするが、蓮はじっとキョーコを見つめ首をかしげた。

「おはようございます。敦賀さん」
最後に百瀬が挨拶したところで、蓮は視線を百瀬にあわせたが、再びキョーコに視線を戻した。

「・・最上さん、今日でクランクアップだね、最後の撮影前の気分はどう?・・・あれ?・・風邪でも引いてるの?」
蓮の視線が心配そうにキョーコを見つめた。

「先ほど、百瀬さんにも言われましたが・・大丈夫です。・・そんなに顔赤いですか?」

「いや、ちょっと見た感じだと分からないんだけど・・何となく赤いかな?と思うくらい・・それよりも調子が悪そうに見えるけど・・本当に大丈夫?」
蓮がキョーコのおでこに手を伸ばし、熱がないことを確かめようとおでこに手をあてた。

「・・え?・・・大丈夫で・・す・・よ・・。」
キョーコはあてられた手を大人しく受けいれ、蓮を潤んだ瞳で見上げる。
その様子は、まるでキスをねだっているように見えたが、キョーコは熱でぼーっとしており、蓮は心配そうに瞳を細めた。
その自然な流れに隣にいた百瀬の方が恥ずかしそうに真っ赤になっていた。

「そう?あんまり無理しないでね。・・今日はこの後仕事?」
蓮は当てていた手をおろしてながら尋ねた。

「いえ、今日はこれで終わりなんです。」

「そう、じゃ、だるまやさんも今日はお休みさせてもらって、ちゃんと休むんだよ?」

「あ、はい・・今週はおかみさんたちは旅行なので、手伝いがないんです。・・なので、ちょっと仕事を張り切りすぎてしまったのかもしれません。・・・家に帰ったらゆっくり休みますので大丈夫です。・・・では、楽屋にちょっと忘れ物をしてしまったので取りに行ってきます。」

キョーコは元気いっぱいに2人に挨拶をして、振り返らずにその場をあとにした。




ふぅ~~~

「やっぱり、わかっちゃうか・・・」

キョーコは楽屋に戻ると冷やしたタオルを頭の上にのせ、昨夜から下がらない熱と格闘していた。
大丈夫・・あと2時間・・そう、あとたった2時間で美緒ともお別れなんだから・・。

しっかりしないと・・・
はぁ~でもさすがに朝よりは熱が上がっていそう・・・。

そう言ってテーブルに突っ伏して身体を休めた。




トントン


「はぁ~い」
立ち上がろうとして、キョーコはよろけた。

(おっと・・結構つらいな・・)

ふわふわとする体を引きずってドアを開けると、そこには社が立っていた。

「あれ?社さん・・どうされました?」
元気いっぱいに答えて、風邪を引いていることを誤魔化そうとしたが、ふわふわと体が地面についていない感覚にヒヤリと汗が流れる。

「いや、蓮が・・キョーコちゃん体調が悪そうだから見てきてくれって・・言うから見に来たんだけど・・」
社は心配そうにキョーコの顔を覗き込むとキョーコの腕をつかんだ。

「ん、キョーコちゃん気持ちは分かるけど・・・誤魔化すにも限界があるんじゃない?」
そういって、社はつかまえたキョーコの腕をとり、楽屋の椅子に座らせた。

「立ってるのがやっと、って顔してるけど・・・急に熱が上がった?」

「いえ、ちょっと休憩したら・・安心してしまったみたいで・・・なんか・・・ふわふわとしている感じです・・。」
キョーコはしょんぼり社に顔を向ける。

「頑張るのもいいけど・・つらいならつらいって言わないと、急に倒れられたら周りがびっくりするだろう?・・ひとまず、ちょっと蓮のところに戻って、状況を伝えてくるよ。」

「や、社さん・・・待ってください」
キョーコは、社の腕を強く引っ張った。

「どうしたの?」
社はびっくりして瞳を大きくした。

「その、敦賀さんには、言わないでもらえませんか・・あと2時間ですし・・・私の出番は30分もありませんから、・・少し休んでからスタジオに行きますし・・。」
どこか焦点の定まらないキョーコのお願いにダメだと言えなくなった。

「まったく、蓮も、キョーコちゃんも少しくらい弱音を吐いたらいいのに・・・。」

「いえ、そんなわけにはいきません。お願いです。どうか・・・敦賀さんにはこのことは・・・。」
まるで拝むようにキョーコに言われ、社は困惑した。

(蓮に・・怒られそうだな・・・)

「わかったよ、でも、俺にだけは嘘つかないで・・みんな心配なんだから・・。」
社は、テーブルに置いてあったタオルをとるとキョーコの頭の上にそのタオルをのせてあげた。

「・・今日はこの後仕事?」

「いえ・・。」

「そうか、じゃ。タクシーの手配もしておくね・・。」

「す、すみません何から何まで・・・面倒をかけてしまって。」

「何言ってるの・・・まったく。同じ事務所なんだし遠慮しないで。・・蓮だっていつもキョーコちゃんには世話になってるし・・それに面倒じゃないよ・・。」


「はい、すみません。・・・ありがとうございます。」
いつもの元気がないキョーコを見て社は心配になったが、どうしてもやり遂げたいというキョーコの気持ちを酌んで、今回は黙っていることにした。

「ところで、キョーコちゃん熱どれくらいあるの?寒くない?」

「大丈夫です。今朝測った時には・・38度少し超えたくらいだったと思います。」

「今の方が・・熱が高そうだね?」
社はキョーコの顔を覗き込むように見つめると、焦点の定まらない視線と少し赤みの帯びた顔色が気になった。

「はい、でも寒気がなくなりましたので、結構楽になりました・・。」
確かにドアを開けてもらったばかりのころより幾分顔色がよくなった気がする。

「いや、キョーコちゃん・・それ・・多分・・熱上がったんじゃ・・・」

「そうですか?でも・・なんか柔らかい地面を歩いている感じで、快適になってきました。」

(・・・・。)

「ひとまず、スタジオで辛くなったら、俺に言ってくれる?・・倒れる前に・・」
なんとなく不安になり、冗談任せにそんなことを言うと・・キョーコはひどくまじめな顔でその言葉を繰り返した。

「あ、はい。わかりました。・・た、倒れる前ですね・・・」

先行き不安なまま社はキョーコをスタジオに送り出すことにした。



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